GOLDEN J-POP / THE BEST 山口百恵

山口百恵 GOLDEN J-POP / THE BEST 山口百恵歌詞
1.いい日旅立ち

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

雪解け間近の北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を叫ぶ時
帰らぬ人達熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり旅に出る
あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日 旅立ち夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた歌を道連れに……

岬のはずれに少年は魚つり
青い芒(すすき)の小径を帰るのか
私は今から想い出を創るため
砂に枯木で書くつもり“さよなら”と
あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち羊雲をさがしに
父が教えてくれた歌を道連れに……

あゝ日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち幸福(しあわせ)をさがしに
子供の頃に歌った歌を道連れに……


2.惜春(せきしゅん)通り

作詞:石丸博
作曲:川口真

突然に肩を抱く彼の寒い指がわたしを包む
稲妻のひかる夕空に暗い雲が流れてる
惜春(せきしゅん)通りでは 花屋のスミレも濡れて
惜春(せきしゅん)通りでは わかれに酔うひとよ
忘れないで友よ
どこにいても優しい愛を
日溜りを歩いた学生達の街角
ごきげんよう

突然に雨は晴れ樹々の緑萌(も)えてあたたかくなる
そよ風のひかる夕空に白い雲が流れてる
惜春(せきしゅん)通りでは 制服脱ぐ日も近く
惜春(せきしゅん)通りでは わかれに酔うひとよ
手紙書くと泣いた
彼の澄んだ瞳を胸に
日溜りを歩こう青春達の街角
ごきげんよう

忘れないで友よ
どこにいても優しい愛を
日溜りを歩いた学生達の街角
ごきげんよう


3.秋桜

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜りに揺れている
此頃涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする

縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くり返す
独言みたいに小さな声で

こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが浸みて来る
明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと 笑った

あれこれと思い出をたどったら
いつの日もひとりではなかったと
今更乍ら我儘な私に
唇かんでいます

明日への荷造りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし元気でと
何度も何度もくり返す母

ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの子供で
いさせてください


4.冬の色

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

あなたから許された 口紅の色は
からたちの花よりも 薄い匂いです
くちづけもかわさない 清らかな恋は
人からは不自然に 見えるのでしょうか

いつでもあなたが悲しい時は
私もどこかで泣いてます
恋する気持に疑いなんて
はいれる隙間(すきま)はありません

あなたなら仲のいい 友達にさえも
微笑んで紹介が 出来る私です

あなたからいただいた お手紙の中に
さりげない愛情が 感じられました
倖せのほしくない ぜいたくな恋は
世の中にめずらしい ことなのでしょうか

突然あなたが死んだりしたら
私もすぐあと追うでしょう
恋する気持にためらいなんて
感じる時間はありません

あなたなら他の子と 遊んでるとこを
見つけても待つことが 出来る私です


5.ひと夏の経験

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

あなたに女の子の一番
大切なものをあげるわ
小さな胸の奥にしまった
大切なものをあげるわ

愛する人に 捧げるため
守ってきたのよ
汚れてもいい 泣いてもいい
愛は尊いわ

誰でも一度だけ 経験するのよ
誘惑の甘い罠

あなたに女の子の一番
大切なものをあげるわ
綺麗な泪色に輝く
大切なものをあげるわ

愛する人が 喜ぶなら
それで倖せよ
こわれてもいい 捨ててもいい
愛は尊いわ

誰でも一度だけ 経験するのよ
誘惑の甘い罠


6.白い約束

作詞:千家和也
作曲:三木たかし

白く透き通る 雪が降る
音もしなやかに 雪が降る
人の汚れた心を 埋めてゆくように

※ねえ 綺麗なまま 生きることは
無理なのかしら
ねえ 私達も 愛し合うと
いつかは汚れて しまうのかしら※

白く透き通る 雪が降る
息をするように 雪が降る
人の涙や悲しみ 知っているように

ねえ 冷たい眼で 見られるのは
いつまでかしら
ねえ 私達は どんな時も
信じていること 約束するわ

(※くり返し)


7.ちっぽけな感傷

作詞:千家和也
作曲:馬飼野康二

もちろん出来ないことだけど
あなたを嫌いになりたいの
傷つきあうのが恐いから
小さな心を痛めてきたの

なぜ愛されちゃいけないの
胸の奥も指の先も感じてるのに
ほかの男のひととは
どこか違ってたわ あなた

今すぐに消えて 私の前からどうぞ
泣くのはどちらか ひとりでいいわ

死ぬより悲しいことだけど
私を憎んでほしいのよ
求める気持が強いほど
ふたりはすべてを失くしてしまう

なぜ愛されちゃいけないの
黒い髪も白い耳も感じてるのに
きっと私なんかより
いいひとがいるわ あなた

今すぐに消えて 私の前からどうぞ
泣くのはどちらか ひとりでいいわ


8.ささやかな欲望

作詞:千家和也
作曲:都倉俊一

青い落葉を舞い散らして
時間通りにバスが着いた
鞄ひとつだけ持って私は乗る
送らないでと頼んだのに
やはりあなたは顔を見せた
うまくお別れが出来るでしょうか

生意気ですけど ひとつだけ言わせてね
あなたを心から 愛してた
私はあなたを 悪者にしたくない
だからひっそりと 離れてゆく

町の境をバスが過ぎて
ひとつふたつと席が空(あ)いて
道連れも出来ずひとり私はゆく
指があなたをなつかしがる
耳があなたを追い求める
だけどここに来て戻れはしない

生意気ですけど ひとつだけ言わせてね
あなたは素晴らしい 男性(ひと)でした
私はあなたを 不幸にはしたくない
だから自分から 離れてゆく


9.初恋時代

作詞:阿久悠
作曲:都倉俊一

青い木の実が熟れるよに
乙女ごころが紅くなる
セーラー服の胸の奥が
あなたを恋して痛くなる
大人に一歩踏みこんで
ゆらゆらゆらゆれる初恋時代

恋を恋するとしごろと
ひとは誰でもそういうの
素足で駈けて追って行くの
私のこころは恋ごころ
大人に一歩踏みこんで
ゆらゆらゆらゆれる初恋時代

少し危ない綱渡り
背のびしてするくちづけよ
涙が頬をこぼれ落ちて
小さな秘密抱きしめる
大人に一歩踏みこんで
ゆらゆらゆらゆれる初恋時代


10.たそがれ祭り

作詞:阿木燿子
作曲:馬飼野康二

足を止めないで 駆けて行きましょう
小さなカフェ・テラスも店を閉める頃

祭りの準備はとうに整って
二人の着く時間を皆んな待ってるわ

空に上げた風船が
割れて一ツ はじけたら
黄昏がそこから燃えて広がるの

ねェ 好き 聞いて良いかしら
ねェ 好き 答えて欲しいの

これから起こる出来事の
予感に胸が震えるわ
ステキな時の訪れね

見知らぬ坊やが手渡してくれた
真紅なバラの花が今夜の飾りね

恋のピエロ達 出番がないから
どうにかして欲しいと 文句言ってるわ

夢の中でファンファーレ
澄んだ音で響いたら
黄昏祭りが今から始まるの

ねェ 好き 聞いて良いかしら
ねェ 好き 答えて欲しいの

私はとても幸福よ
あなたの愛に包まれて
やさしい時を待ってるの


11.赤い絆(レッド・センセーション)

作詞:松本隆
作曲:平尾昌晃

泣きながらラッシュ・アワーの
人ごみを縫うように走る
左手にあなたの手紙
くしゃくしゃに 握りしめながら
レッド・センセーション
涙をかくした真っ赤なコート
レッド・センセーション
あなたを愛した証しの色よ
許せない 電話をかけてもなしのつぶてね
許せない あなたの心がつかめない

プラチナの指輪がひとつ
封筒の底から転がる
顔を見て返せないほど
いくじなし それが憎らしい
レッド・センセーション
二人を引き裂く愛の稲妻
レッド・センセーション
私の背中の赤くつらぬく
許せない 心を勝手に切りとった人
許せない あなたは誰かと生きるのね

乗り換えた電車のドアで
あなたの名 三度つぶやくの
レッド・センセーション
暮れゆく間際の夕陽の赤が
レッド・センセーション
私の心に火を走らすわ
許せない 必死に信じて生きてきたの
許せない あなたは掌かえすのね


12.哀愁のコニーアイランド

作詞:森雪之丞
作曲:大瀧詠一

潮風に
錆びた観覧車
夕焼けが やさしく染める
昔パパとはぐれた この場所で
不思議ね 今でもまだ私は迷子
Lu Lu Lu …
“You will lose your love”
今度も ジルの占い
きのうのことしか あたらない
あの人ったら やさしいの
私を起こさず出ていったわ
まるで そよ風みたいに
Lu Lu Lu …

足の金具 はずれても
走れない 回転木馬
右の頬の はがれ落ちたペンキ
私にはみえるのよ おまえの涙
Lu Lu Lu …

“You will lose your love”
のんきなジルの占い
未来のいつだか わからない
あの人ったら おかしいの
パジャマをたたんで出ていったわ
まるで 旅人みたいに
Lu Lu Lu …


13.Crazy Love

作詞:井上陽水
作曲:井上陽水

粋で悲しいクレイジーラブ
愛されていても
私ひとりで幸せを
胸に飾るだけなの
夜にゆられて
さまよう先は
もっと真夜中になればクレイジーラブ

夏の終りの夕暮れに
消えそうな空に
夢を私がえがくのは
特に意味がないから
風に追われて
ながされている
もっとこのままでいればクレイジーラブ

星にあやしいクレイジーラブ
愛されていても
月が私を許すなら
あともどりもしたいわ
きらめく星と
とまどう胸が
もっとこなごなになればクレイジーラブ
夜にゆられて
とまどう胸が
もっとこなごなになればクレイジーラブ


14.愛染橋

作詞:松本隆
作曲:堀内孝雄

春一番が吹き荒れた後
花を敷いた路地へ
今日こそ返事聞かせてくれと
問いつめられそうで

あなた以上にやさしい人は
いそうにもないけど
結婚なんて旧(ふる)い言葉に
縛られたくなくて

橋の名は愛染橋
ほほえんで渡れば恋がかなう
うつむけばそれきりとまどい橋

うちは淋しい女やからね
愛なんてよう知らん
時の流れも春のうららに
渡りたい 渡れない

髪の芯まで飽きられる日が
来ないとも限らず
そしたらすぐに別れる勇気
ありそうでなさそで

橋の名は愛染橋
ただ一度渡ればもう戻れぬ
振り向けばそこから想い出橋

うちは愚かな女やからね
人生もよう知らん
けれどあなたに手招きされて
渡りたい 渡れない


15.ラスト・ソング

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

最後のライトは消さないで
せめて拍手が終るまで
恋をすることさえも許されないで
歌い続けてきた私
せめてこの歌は貴方に

客席にはいつもの貴方がいて
となりには貴方の愛する人が
何も知らずにほほえんでいる

たった一度のあやまちを
貴方は悔んでいるかしら
たった一度の恋のあやまちだけが
私をささえてくれたのに……

明日から一人で歩いてく
少しは大人になれたもの
もう二度と逢わないと心に決めて
涙みせずに歌うから
せめて心だけ受け止めて

明日になれば貴方は祭壇の前で
新しい愛を永遠(とわ)に誓う
だから今日までは私の貴方

最後のライトは消さないで
せめて拍手が終るまで
恋をすることさえも許されないで
歌い続けて行く私
せめてこの歌を貴方に
せめてこの歌を貴方に


16.さよならの向う側

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

何億光年 輝く星にも 寿命があると
教えてくれたのは あなたでした
季節ごとに咲く 一輪の花に 無限の命
知らせてくれたのも あなたでした
Last song for you,
Last song for you
約束なしの お別れです
Last song for you,
Last song for you
今度はいつと言えません

あなたの燃える手 あなたの口づけ
あなたのぬくもり あなたのすべてを
きっと 私 忘れません
後姿 見ないで下さい

Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならのかわりに

眠れないほどに 思い惑う日々 熱い言葉で
支えてくれたのは あなたでした
時として一人 くじけそうになる 心に夢を
与えてくれたのも あなたでした
Last song for you,
Last song for you
涙をかくし お別れです
Last song for you,
Last song for you
いつものように さり気なく

あなたの呼びかけ あなたの喝采
あなたのやさしさ あなたのすべてを
きっと 私 忘れません
後姿 見ないでゆきます

Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならのかわりに
さよならのかわりに
さよならのかわりに


17.一恵

作詞:横須賀恵
作曲:谷村新司

一期一会… いくつかの出逢いの中で
それぞれに心を知りました

「貴女は夢だ」と人は言う
何故 何故夢なのかとふと思う

そんな想いは幼い頃の
雨に降られた 秋祭り
ガラス越しの雨だれに
ため息ひとつ瞳(め)をふせた
あの日の私想わせる

現(うつつ)の心届かぬままの
不知火(しらぬい)のような不思議さを
背おいきれずに呟(つぶ)いた
私は女――

一期一会… あなたとの出逢いの中で
私は自分を知りました

私の胸によせる波は
あなたの あなたの心にひいて行く

母にもらった名前通りの
多すぎる程の倖せは
やはりどこか寂しくて
秋から冬へ 冬から春へ
ひとつの愛を追いかけた

※現に戻す罪の深さを
知ってか知らずかあなたへの
愛を両手に呟いた
私は女――※

(※くり返し)


18.プレイバック Part1

作詞:阿木燿子
作曲:馬飼野康二

あれは真夏の出来事でした
今から話すけれど もらい泣きなど
しないで下さいね
「聞いてね」

想い出の中の遠い季節 Play Back
痛みを覚えた若い季節 Play Back

涼しい素振りで私は嘘をついたの
両手の指でも足りない恋のお相手
馬鹿だわそんな事をあの時言うなんて

あれは真夏の出来事でした
あの子の腕の中で愛して愛され
夢みて揺られた日

潮騒を聞いて燃えた恋よ Play Back
素肌にやさしく触れた砂よ Play Back
あの夜が初めてだったの 私…

続きを聞きたい? 私と彼のその後(ご)ね
あれから電話も手紙も来なくなったわ
馬鹿だわ私今も待ち続けているの

あれは真夏の出来事でした
あの時、はしゃぎすぎて
大人の女の素振りをしただけよ

も一度 できたら そうよ彼と
Play Back
も一度 会えたら 言うわ 彼に
Play Back

今度こそは素直な心で
「Play Backしたいの」
彼に 言うわ
私…


19.プレイバック Part2

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

緑の中を走り抜けてく真紅(まっか)なポルシェ
ひとり旅なの 私気ままにハンドル切るの
交差点では隣りの車がミラーこすったと
怒鳴っているから私もついつい大声になる

馬鹿にしないでよ そっちのせいよ
ちょっと待って Play Back, Play Back
今の言葉 Play Back, Play Back

馬鹿にしないでよ そっちのせいよ
これは昨夜の私のセリフ
気分次第で抱くだけ抱いて
女はいつも待ってるなんて
坊や、いったい何を教わって来たの
私だって、私だって、疲れるわ

はるかな波がキラキラ光る海岸通り
みじかい旅よ力一杯アクセル踏むの
潮風の中ラジオのボリュームフルに上げれば
心かすめてステキな唄が流れてくるわ

勝手にしゃがれ 出ていくんだろ
ちょっと待って Play Back, Play Back
今の歌を Play Back, Play Back

勝手にしゃがれ 出ていくんだろ
これは昨夜のあなたのセリフ
強がりばかり言ってたけれど
本当はとても淋しがり屋よ

坊や、いったい何を教わって来たの
私やっぱり、私やっぱり、帰るわね

あなたのもとへ Play Back, Play Back
あなたのもとへ Play Back


20.横須賀ストーリー

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

街の灯りが映し出す
あなたの中の見知らぬ人
私は少し遅れながら
あなたの後ろ 歩いていました

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

急な坂道 駆けのぼったら
今も海が 見えるでしょうか
ここは横須賀

話しかけても 気づかずに
ちいさなアクビ重ねる人
私は熱い ミルクティーで
胸まで灼けてしまったようです

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

あなたの心 横切ったなら
汐の香りまだするでしょうか
ここは横須賀

一緒にいても心だけ
ひとり勝手に 旅立つ人
私はいつも置いてきぼり
あなたに今日は聞きたいのです

これっきり これっきり もうこれっきりですか
これっきり これっきり もうこれっきりですか

そう言いながら 今日も私は
波のように抱かれるのでしょう
ここは横須賀


21.I CAME FROM 横須賀

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

横須賀から汐入り 追浜 金沢八景
金沢文庫
汐風の中 走ってゆくの
赤い電車は白い線
駅の名前をソラで言えるの
横須賀マンボ・Tシャツね

※I came from 横須賀
あなたに会いに来た
I came from 横須賀
あなたに会いに来た※

文庫すぎて上大岡 井戸ヶ谷
日の出町 横浜まで
窓を開ければ 緑が飛ぶの
快速特急 音をたてる
扉の近くに陣取りながら
呪文のようにつぶやくの

(※くり返し)

横浜から鶴見 川崎 品川
ここまでの道
小さな屋根が 集まっている
歴史のあとも あるけれど
あいにく私は 詳しくないの
心に走る線路なの

(※くり返し)


22.夢先案内人

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

月夜の海に 二人の乗ったゴンドラが
波も立てずにすべってゆきます
朝の気配が 東の空をほんのりと
ワインこぼした色に染めてゆく
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
微笑ながら合図に肩をすくめても
ちょっぴり眠い夜明け前です

三日月模様 空が尖ってゴンドラも
スピード上げて進んでゆきます
朝は半分 ビロード製の幕上げて
水の表面を鏡にしてゆく
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
ときめく胸にほのかな愛のやさしさが
込み上げてくる夜明け前です

月は光を朝に隠して影だけが
白く細い線になりました
太陽が今 たくさんの雲従えて
きらめきながら昇ってゆきます
そんな そんな夢を見ました
あなたは時々振り向き
Wink and Kiss
見つめる二人生きてることの喜びに
言葉を失くす夜明け前です
言葉を失くす夜明け前です


23.イミテイション・ゴールド

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

シャワーのあとの 髪のしずくを
乾いたタオルで 拭きとりながら

彼が窓辺で話しかけるわ
流れる雲さえ 季節の色だと
私は軽い目まいを感じ
マニキュアの指 かざしてみるの
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
ア・ア・ア 焼けた素肌が
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
若いと思う 今年の人よ
声が違う 年が違う 夢が違う
ほくろが違う
ごめんね 去年の人と 又比べている

西陽の強い 部屋の片隅
彼が冷蔵庫 バタンと閉じる
パックのままの 牛乳かかえ
身軽な動作で 運んでくれるわ
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
ア・ア・ア 命そのまま
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
飲み干したけど 今年の人よ
くせが違う 汗が違う 愛が違う
きき腕違う
ごめんね 去年の人に まだ縛られてる

ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
ア・ア・ア そのやさしさで
ア・ア・ア イミテイション・ゴールド
まっててほしい 今年の人よ
日が当れば 影が違う 色が違う
光が変わる
ごめんね 去年の人を 忘れるその日を


24.乙女座宮

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

私 ついてゆくわ(ホント)
とうに 決めているの(どこへ)
今から旅に出ようと
あなたがもしも誘ってくれたら

軽く まぶた閉じて(ステキ)
そっと うなずくのよ(そして)
星座の地図を頼りに二人で
幸福を探しにゆくの

さあ 流星に乗って 銀河大陸横断鉄道
そう 夜空にきらめく 星の星の世界ね
ペガサス経由で 牡牛座廻り
蟹座と戯れ 今は獅子座のあなたと一緒に

私 すぐに行くわ(本気)
いいえ 悔やまないわ(誰と)
信じる事が愛だと教えてくれた
やさしいあなたと

ウェディング・ドレスを着て(白い)
バラの花をかかえ(まるで)
少女漫画の恋人同志ね
二人の目に星が光る

さあ 流星に乗って 銀河大陸横断鉄道
そう この世に散らばる 星の星の中から
山羊座に恋して さそり座ふって
魚座に初恋 今は獅子座のあなたに夢中よ

さあ 流星に乗って 銀河大陸横断鉄道
そう 夜ごとに輝く 星は星は生きてる
恋する命のときめきだけが 乙女座の祈り
若い獅子座のあなたに夢中よ 夢中よ


25.絶体絶命

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

別れて欲しいの 彼と
そんな事は出来ないわ
愛しているのよ 彼を
それは私も同じ事

夕暮れ迫るカフェテラス
その人は白いハンカチを噛む
薬指には銀色に
輝く指輪が私を弾いてる
そこへ彼 遅れて来た彼
ふたりとも 落ちついてって言ったわ
三人模様の絶体絶命

さあさあ さあさあ
はっきりカタをつけてよ
はっきりカタをつけてよ
はっきりカタをつけてよ
やってられないわ
その人と私のどちらを選ぶの

一輪差しの薔薇の花
その人はずらし涙を隠すの
チラリと視く唇は
コーヒーカップと一緒に震えてる
そこへ彼 話しかける彼
二人共 愛してるって言ったわ
人間模様の絶体絶命

さあさあ さあさあ
すっかりカタはついたわ
すっかりカタはついたわ
すっかりカタはついたわ
やってられないわ
その人の涙の深さに負けたの

bye bye bye bye やってられないわ
bye bye bye bye やってられないわ


26.初恋草紙

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

口紅だけはさしましょう
冬の光りが集まるよう
想い出すたび眼を伏せる
肌にくいこむあなたの言葉
あなたの言葉
さよならたけのとおり道
実らぬものと姿を変えて
私の恋が 今 駆けてゆきます

口紅さえも裏切って
ひと色変り筆にのる
あなたの頬は大人びて
別れの重さで刻まれていた
刻まれていた
想い出ゆえにかえり道
蕾のままに命を移し
私の恋が 今 散ってゆきます

赤い実に針刺すように
唇かめば面影はじけ
揺らぐ別れを背にうけた
あの日の人があとずさりする
あとずさりする
恥じらいばかりまわり道
傷つくものと言葉で遊び
私の恋が 今 消えてゆきます
傷つくものと言葉で遊び
私の恋が 今 消えてゆきます


27.GAME IS OVER

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

しあわせとふしあわせの境目が
うすいドアー1枚分もないことを
今迄 わたし 知らなかったの

むきだしの床きしませ土足のまま
ノックもせずに入って来たのは
あれは確かにさよならの影

GAME IS OVER わたしにはそう聞こえたの
GAME IS OVER ドアのひらく音

天井にこだましながら返ってくる
砂糖菓子の夢が壊れてゆく音は
あれは確かにさよならの声

しあわせとふしあわせの境目に
そうね鍵をかけずにいたことが
やっぱり わたし いけなかったの

錆ついたノブをまわしいつのまにか
嵐のように出ていったのは
あれはたしかにさよならの影

GAME IS OVER わたしにはそう聞こえたの
GAME IS OVER ドアの閉じる音

もういちど泣きあかして眼がさめたら
心のなか大きな刷毛で塗りかえて
そして消すのよさよならの影
そして消すのよさよならの影


28.モノトーンの肖像画

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

正確なデッサンで 輪郭を
力強いタッチで 太い眉
真白なキャンバス やさしい目
鉛筆削り直し 長いまつげ

※私のこと 気づいてくれない
そうよ あなたは
近くて遠い人
心に描く 肖像画※

白いセーター良く似合う あのうなじ
笑いがはじけるたび 揺れる肩
スクラムを組んでいる 強い腕
フットボールの好きな 長い足も

(※くり返し)

目の前を楽しげに 手をつなぎ
誰かと歩いてゆく 背中なの
絵の具箱しまって 頬杖で
いつまでも見ていたの 後姿

(※くり返し)

私のこと 気づいてくれない
そうよ あなたは
近くて遠い人
心に描く 肖像画
心に描く 肖像画


29.碧色の瞳

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

何気ない事から感じるものなのです
コーヒーをモカに変えたあの時からですね
言葉でかくしても伝わるものなのです
ブルースが好きと言ったあの時からですね

私より大人のひとですか?
私より素敵なひと?
「嫉妬は碧色の瞳をもっている
という言葉を知っていますか?」
そう、その例(たと)えが今は心に痛いのです

つまらない事にも傷ついてしまうのは
ひび割れたグラスのような愛のせいでしょうか
ひと時の幸せ二人で分けあっても
溜息が夢を壊す夜のせいでしょうか

私より大人のひとですか?
私よりきれいなひと?
「嫉妬は碧色の瞳をもっている
という言葉を知っていますか?」
そう、その言葉の通り心も染るのです

そう、その言葉の通り心も染るのです


30.木洩れ日

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

1枚の木の葉のそよぎに
耳をそばだてれば
風と一緒にあなたが
通り過ぎたのがわかる

追いかけましょうか
足跡を辿り
それとも 聞こえぬ振りで
俯きましょうか

あなたの心は 閉ざされた
深い森のように
一筋の木洩れ日さえも
遮ぎってしまうのよ

寝返えりを打つたびごとに
目を覚して見れば
夢と一緒にあなたが
そっと消えたのがわかる

※掴まえましょうか
先き廻りをして
それとも まどろみの中
呼んでみましょうか※

私の心は 迷い道
暗い森の中で
一筋の木洩れ日さえも
見ることができないの

(※くり返し)


31.しなやかに歌って

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

しなやかに歌って 淋しい時は
しなやかに歌って この歌を

坂の上から見た街は陽炎(かげろう)
足につけたローラー 地面をけって滑ってく
夜は33の回転扉(とびら)
開ければそこには愛が溢れているのに
レコードが廻るだけ あなたはもういない
しなやかに歌って 淋しい時も
しなやかに歌って この歌を
素顔のままで 私はひとり
あなたの帰り待っているのです

澄んだ青い空の彼方をめざし
栗毛色のポニー手綱(たずな)を引けば走ってく
夜は33のページを開き
昨日の続きの本を読んでいるのに
お話は終りなの あなたはもういない
しなやかに歌って 淋しい時も
しなやかに歌って この歌を
飾りをすてた心のなかで
あなたの名前呼んでいるのです

しなやかに歌って 淋しい時は
しなやかに歌って この歌を
静かに時は流れてゆくの
夜はいつでも朝に続くはず
しなやかに歌って 淋しい時は
しなやかに歌って この歌を
しなやかに歌って 淋しい時に
しなやかに歌って この愛を


32.視線上のアリア

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

それはまるで子供達の
しのび笑いのような音楽を
あなたの腕の中で
聞くようになったのは いつから

とても澄んだ高い声で
楽しそうに誰れかが耳元で
懐かしい童唄くり返しくり返し唄うの

涼しい目もとの熱い人
こうして一緒にいられるのは いつまで
愛と悲しみ 紙一重まぶた
だから だから 強く 強く
もっと もっと強く 今は愛して

昔聞いた子鳩達の
ふくみ笑いにも似たあのリズム
私の胸の中で
だんだん高まるのは どうして

それはいつか変わりばんこ
幸福と不幸福を鍵盤に弾(はじ)くピアノの音に
変わってしまいそうで怖いわ

やさしい瞳の燃える人
あなたが楽器を奏でるのは いつまで
愛と憎しみ 紙一重まぶた
だから だから 強く 強く
もっと もっと強く 今は愛して

寂しい目をする好きな人
二人でデュエット唄えるのは いつまで
愛と別れは 紙一重まぶた
だから だから 強く 強く
もっと もっと強く 今は愛して


33.1 2/3

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

Telephone bell's calling 1. 2. 3. 4. 5

5度目のベルの音を聞いた時
激しく胸騒ぎが高まるわ

あなたは今日もいないのでしょう
約束した事など忘れたようね

この頃のあなた
二人でいても 1 2/3
空白が残ってる

Telephone bell's calling 耳もとで
Telephone bell's calling 呼んでるわ

電話の前の
なんて長い 長い時間

Telephone bell's calling 6. 7. 8. 9. 10

受話機を戻す間際に思うの
さよなら言う事さえ出来ないと

あなたと私結ぶ かけ橋が
プツンと音をたてて切れた今なら

この頃の私
二人でいても 1 2/3
空白に脅えるわ

Telephone bell's calling 届かない
Telephone bell's calling この想い

一人めぐりの
なんて長い 長い不安

気がついた時は
二人の恋は 1 2/3
空白のままだから

Telephone bell's calling 本当に
Telephone bell's calling 悲しいわ

そこまで来てる
なんて長い 長い季節


34.ロックンロール・ウィドウ

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

もてたいための ロックンローラー
あなた動機が不純なんだわ
金髪美人のグルーピー
いつもはべらせ歩いてる
人の曲には ケチつけて
スーパースターを気取っているけど
何かが違うわ
かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ
かっこばかり 先ばしり

ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ
いい加減にして
私あなたのママじゃない

人目気にする ロックンローラー
金の指輪を右手にしてる
シャウトするのがエクスタシー
のれば朝まで 帰らない
もしも誰かに聞かれたら
夫はとうに亡くなりました
いい人でした
かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ
かっこつけて 泣きたいわ

ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ
いい加減にして
男はあなた一人じゃない

ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ
ロックンロール・ウィドウ


35.あなたへの子守唄

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

生れて初めて降りた街なのに
昔来たことがある そう思うのは何故
夕餉の時刻にサーカス追いかけ
いつか迷い子になった 幼い記憶のせいかしら

恋するだけでもすごく辛いのです
どうしてあなたにさよならなんて言えますか
私の心はなぜかあてどもなく
やさしさばかりを追いかけています

しなやかに愛して しなやかにアムール
しなやかに愛して 過ぎた月曜日の子守唄

確かに初めて聞いた歌のはず
胸が震えだすほど懐かしいのは何故
短いスカート 高い肩車
星をねだって泣いた 遠いあの日のせいかしら

恋するだけでもすごく辛いのです
どうしてこの先 一人で生きて行けますか
時間は時々逆に廻り始め
あなたに淋しさ重ねています

しなやかに愛して しなやかにアムール
しなやかに愛して 暗い金曜日の子守唄

私の心はなぜかあてどもなく
ふたりの絆をさがしています

しなやかに愛して しなやかにアムール
しなやかに愛して 遠い日曜日の子守唄
遠い日曜日の子守唄


36.曼珠沙華(マンジュシャカ)

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

涙にならない悲しみのある事を
知ったのは ついこの頃
形にならない幸福(しあわせ)が何故かしら
重いのも そうこの頃
あなたへの手紙
最後の一行 思いつかない
どこでけじめをつけましょ
窓辺の花が咲いた時
はかなく花が散った時
いいえ あなたに愛された時

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い花さえ 真紅(まっか)に染める

あてにはならない約束をひたすらに
待ち続け そう今でも
言葉にならない優しさをひたむきに
追いかける そう今でも
あなたへの想い
どこまで行ったら止まるのかしら
そんな自分をもて余す
机の花が揺れた時
ほのかに花が匂う時
いいえ あなたに愛された時

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
命すべてを もやし尽すの

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い夢さえ 真紅に染める